■ひまわり型風力発電機について

風力発電機と聞いて、「ただで電気が手に入るから電気代を浮かせられる」って考える人も多いでしょう。というより、そういう人がほとんどではないでしょうか?

ところが実際にはそうはいきません。なぜなら、風の持っているエネルギー自体か非常に小さいからです。庭先に設置できるような直径1m/s程度の風車では、電気代を浮かせる程発電できないのです。

ひまわり発電機全体の画像 もちろん風のエネルギーは風速次第(風速の三乗に比例して大きくなります)でもありますので、頻繁に風速10m/sなんて風が吹いているようなところでは、それなりの発電を期待することはできます。しかしながら日本の平均的な住宅地では、強いときでも5〜6m/s程しかなく、平均では3m/sを超える場所はほとんどないでしょう(もちろん台風のときなどは別ですよ)。

ですから、がんばって風車や発電機を自作しても電気代を浮かすことはおろか、風車の製作費を回収することもキビシイでしょう。


それでも、自分が作った風車が風を受けて元気よく回転して、さらにその発電機がエネルギーを生み出していることが確認できるのはとても楽しいものですし、風力発電機の製作を通して、「エネルギーを得ることが如何に大変なことか。」また、「普段そのエネルギーを如何に無駄にしているか。」といったことを認識するためには、とても意義のあることではないかと思います。

そういうわけで、あまりお金をかけず、簡単で、安全で、しかも見ていて楽しい風車って何だろうと考えて、たどり着いたのがこの「ひまわり風力発電機」なのです。

ひまわり風力発電機は、

  • 自転車のハブダイナモを使いますので、簡単でしかも廃品を入手できればとても安上がり。今風に言えば「とってもエコ^^」
  • 使用する材料はベニヤ板やヒノキの角材など、近所のホームセンターや百円ショップなどで入手が可能。
  • 翼の枚数が多いので少々根気が必要な作業もありますが、翼形を削り出すといった難しい作業はありません。
  • 比較的遅い風速(2〜3m/s)でも回転しますので、見ていて楽しい。
  • 小型(直径70cm)なので、雨のときや強風のときは簡単に撤収できる。
  • 一応、ファーリング機構(突然の強風時に、横を向いて回転が上がり過ぎるのを防止する安全装置)を備えている。


といった、特徴があります。

一方で、重大な欠点もあります。それは、「発電した電気の使い道がない」ということです。これは致命的です(爆)。小型の風力発電機全般に言えることなんですが、特にこのひまわり風車の場合、直径も小さくしかも低速で回転するように作っていますので、当然発電量もほんのわずか(定格で2.4w)です。もちろんバッテリーに充電すれば有効に使うことはできるのですが、そのためには高価なバッテリーや、充電回路などを準備しなければなりませんし、そもそも十分に充電するには気の遠〜くなるほどの時間が必要なので、現実的ではないのです。

ですから、このひまわり発電機で発電した電力は、LEDを点灯させる、小型のラジオを鳴らすなどといったある意味他愛無い目的にしか使用できません。もちろん、使い道は製作者自身で決めればよいことです。ぜひ自由な発想で何か面白い使い道を考案していただけたらと思います。

そういうわけでこのひまわり発電機、前述したエネルギーの大切さを学ぶといった啓蒙的活動として、または、あくまでも風と戯れるということを目的として楽しんでいただければと思います。

河原に5本並べた画像



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